深夜病棟の巡回
ある夜、大学病院の夜勤看護師として働き始めた彼女は、通常の巡回を行っていました。
病棟は静かで、「シン…」と静まり返り、患者たちは眠っていました。
謎の車椅子
突然、廊下の奥から「ギィィ…」と車椅子の軋む音が聞こえてきました。
彼女は不思議に思い、音の方向に向かって「カツ…カツ…」と足音を立てながら歩き始めました。
廊下の曲がり角を曲がると、そこには一台の古びた車椅子が置かれていました。
しかし、誰も乗っていません。
彼女は首を傾げながら「キィ…」と軋む車椅子に近づきました。
車椅子に触れようとした瞬間、それは突然「キィィッ」と動き出しました。
彼女は驚いて「ハッ…!」と後ずさりしました。
車椅子は自らの意志を持つかのように、ゆっくりと廊下を「ギィィ…ギィィ…」と進んでいきます。
閉ざされた古い病棟
恐怖を感じながらも、この不可解な現象の真相を突き止めようと彼女は車椅子を追いかけました。
車椅子は病棟を抜け、使われていない古い病棟に「ギギギ…」と音を立てながら入っていきました。
普段は鍵が掛かっており入れないはずですが、鍵は「カチャン…」と開いていました。
ホコリ臭い薄暗い廊下を「コツ…コツ…」と進むにつれ、不安は増していきました。
壁には古い写真が掛けられており、そこに写る人々の目が「ジィーッ…」と彼女を追っているような気がしました。
車椅子は突然、一室の前で「キィッ」と止まりました。
ドアには「301号室」と書かれています。
彼女は震える手でドアノブに手をかけ、「ギギギ…」とゆっくりとドアを開けました。
衝撃の真実【幽霊 霊現象 病院】
部屋の中には一人の老人が静かに座っていました。
老人は彼女を見ると、にっこりと微笑みました。
「よく来てくれたね。50年間、誰も来てくれなかったんだ」
彼女は息を呑み、「ザワッ」と背筋に冷たいものが走りました。
老人は穏やかに語り始めました。
彼は50年前、足の怪我で入院し、この病院で医療ミスにより昏睡状態に陥り、数年後に息を引き取ったのだと。
彼の意識は肉体から離れ、この古い病室に閉じ込められていたのです。
恐怖と同情が入り混じった複雑な感情を抱きながら、彼女は老人の話に耳を傾けました。
老人は話し終えると、「やっと成仏できる…」と安らかな顔で「フワリ…」と消えていきました。
昔の話と謎
翌日、彼女は看護婦長にこの出来事を話しました。
看護婦長は深いため息をつき、「その患者が亡くなったのは、もう50年は前のことよ。私も、昔先輩から聞いたけど…」と話してくれました。
看護婦長によると、その病棟は医療ミスで昏睡状態になった老人が亡くなった後、車椅子が勝手に動くなど不気味な出来事が続いたため、その病室は閉鎖され、誰も立ち入らなくなったそうです。
彼女は考えました。
老人の霊は、ただ誰かと話せるのを50年間待っていたのでしょうか…。









