「その祠を壊そうとした者は、誰も無事に戻っていないんだ…。」
山奥の祠に隠された伝承
この話は、日本のある山村で語り継がれている奇妙な伝承です。
その村は、木々に囲まれた静かな場所で、ふもとから1時間ほど歩いた場所に「祠(ほこら)」がひっそりと建っています。
村人たちはその祠を「ケガレ様の祠」と呼び、古くから決して触れてはならないと警告してきました。
しかし、なぜ「ケガレ様」と呼ばれているのか、その理由を知る者は村でも数少ないのです。
すべては「ある老人の話」によって今も語り継がれています。
【祠を壊した若者の行方】
ある日、村に引っ越してきた先生がいました。
先生は好奇心旺盛で、村の歴史や伝説にも興味を持ちました。
彼は村人たちから「ケガレ様の祠」についての噂を聞き、山に登って調べようと決めたのです。
「そんなこと、やめておけ。」
村の老人は静かな声で忠告しましたが、先生は気にも留めずに笑い飛ばしました。
そして、次の朝、先生は一人でその祠へと向かったのです。
祠にたどり着いた先生は、朽ちかけた木材と苔むした石を見て
「こんなもの、ただの迷信だろう」
とつぶやきました
その瞬間、先生は祠の扉をこじ開け、内部をのぞき込んだのです。
すると、中には一対の人形が入っていました。
左右の人形は黒ずんだ着物をまとい、どちらも顔が無残に欠けていました。
その異様さに先生は背筋が冷たくなりましたが、もう遅かったのです。
扉を閉じるとき、彼の耳元で「ギィィ…」という重い音が鳴り響きました。
風が吹いたわけでもないのに、まるで祠そのものが泣いているようでした。
【奇妙な出来事の連鎖】
翌日、先生は学校に来ませんでした。
村人たちが不審に思い、山へ捜索に向かうと、祠の前で倒れている彼が見つかりました。
目は見開かれたまま、身体は冷たく硬直しています。
それでも彼は命を取り留めましたが、目を覚ました先生は「祠の中にいたもの」を語ろうとはしませんでした。
その代わり、突然、夜中に奇妙な言葉を口ずさむようになったのです。
「ケガレ様が……ケガレ様が、来る……」
彼の顔は日に日にやつれ、とうとう1か月後、行方不明になりました。
それからというもの、村の誰一人として、あの祠に近づこうとしなくなったのです。
【最後の忠告】
この話を語ったのは、先生の最後の姿を見たという老人でした。
「彼が村を離れた朝、山のふもとで誰かと話していたよ。だが、あれは人じゃなかった。」
老人はそれだけを語り、二度とその話に触れようとしませんでした。
今も、祠は山の奥深くに残っています。
そして、その扉は、決して再び開かれることのないよう、村人たちによって厳重に封印されています。
祠に近づくときはご注意を
もしあなたも、山奥で古い祠を見つけたら、どうか決して触れないでください。
何が中に潜んでいるのか、知りたくはないでしょうから……。









