ケサランパサランを見たことがありますか?
白いふわふわとした綿毛のような不思議な生き物は、古くから「幸運を運ぶ存在」として語り継がれています。
しかし、誰もがその正体をつかむことはできず、現れたかと思うとすぐに姿を消してしまうと言われています。
その夜、私もまた、この神秘的な生き物を目撃することになりました。
ふわふわと漂う白い影
ある夏の日の夕方、私は神社の近くを一人で歩いていましたが、ふと足を止めました。
風もないのに、何かが宙を漂っているのが見えたのです。
それは白く、ふわふわと揺れながらゆっくりと私の方に近づいてきました。
「ケサランパサラン……?」
思わず口に出したその言葉は、祖母がかつて語ってくれた幸運の生き物の名前でした。
私が幼いころ、祖母は言いました。
「ケサランパサランを見つけたら絶対に他人に見せてはいけないよ。見せてしまったら、幸運が逃げていくんだから。」
私はその言葉を思い出し、静かにその生き物に近づきました。
掴み取った幸運
ケサランパサランは私の手をすり抜けるように、くるくると舞い上がり、しばらく宙を漂っていました。
その動きには、まるで意思があるかのように感じられました。
「幸運を運んでくれるなら……」
私は心の中で願い、もう一度手を伸ばしました。
今度は優しく、そっと掴むことに成功しました。
ケサランパサランは小さくて軽く、まるで何も持っていないかのように感じられましたが、その瞬間、胸が高鳴るのを感じました。
まるで何か良いことが起きる前触れのような、心地よい予感が広がりました。
秘密の宝箱
家に帰ると、ケサランパサランを筆箱にしまい、祖母が言っていた通りに木の小さな箱を探しました。
箱を見つけて彫刻刀で小さな空気穴を開けました。
そして、ケサランパサランをそっとその箱に入れました。
白粉を与えれば増えるという伝説を思い出しまし、探しました。
おしろいは無かったので、ベビーパウダーを見つけて箱の中に入れました。
「これで、幸運がもっと大きくなるのかな……。」
そう思いながら箱を見つめ、私は期待に胸を膨らませました。
1年に2回以上見ると幸運の効果が失われると言われているので、次の日からはベビーパウダーを箱の空気穴から入れました。
幸せの訪れ
それから数日後、驚くべきことが起こりました。
思いもよらない朗報が舞い込みました。
入院していた祖父が退院することになりました。
なんと、願いが叶ったのです。
ケサランパサランの効果だろうか?
私の願いは叶ったので、祖母にプレゼントしました。
祖母はニコっと笑って喜んでくれました。
その数年後、祖母が亡くなり、ケサランパサランがどうなったかは知りません。
ケサランパサランを見つけたら
ケサランパサランは今でも、ふとした瞬間に現れるかもしれません。
その不思議な生き物を見つけたなら、決して誰にも教えず、自分だけの秘密にしておくと良いでしょう。
そうすれば、あなたにも幸運が訪れるかもしれませんよ…。









