口裂け女の物語
真夏の蒸し暑い夜、小学6年生の少女は塾の帰りで、いつもより遅い時間に一人で歩いていました。
カツ、カツと響く彼女の小さな足音だけが、街灯の明かりが薄暗い道を照らす中、静寂を破っていました。
不気味な出会い
突然、後ろからサク、サクと軽い足音が聞こえてきました。
少女は恐る恐る振り返りました。
そこには白いマスクをした女性が立っていました。
長い黒髪が夜風にサラサラと揺れる姿は、一見すると美しく見えました。
「ねえ、」
女性が少女に優しく話しかけてきました。
「私、きれい?」
少女は戸惑いながらも、礼儀正しく答えました。
「はい、とてもきれいです。」
その瞬間、女性の目がギラッと妙に輝きました。
ゆっくりと手を上げ、マスクに触れます。
「本当?」と女性は尋ねました。
「じゃあ、これを見てもそう思う?」
恐怖の顔
マスクがスッと外れました。
少女の目の前に現れたのは、想像を絶する姿でした。
女性の口は、耳から耳までビリビリに裂けていました。
歯茎が剥き出しになり、唇の端からはジワッと血が滲んでいます。
その異様な姿に、少女は声も出せずにガタガタと震え立ち尽くしました。
「どう?私、まだきれい?」
女性の声が、夜の闇にヒソヒソと響きます。
少女の頭の中で、答えを探す思考が狂ったように駆け巡ります。
「きれい」と言えば嘘つき呼ばわりされ、「きれいじゃない」と言えば怒り狂うだろう。
どちらを選んでも、結末は同じ。
必死の逃走
少女は咄嗟に走り出しました。
後ろから女性の悲鳴のような「キャーッ」とした笑い声が聞こえます。
「待ちなさい!あなたも私のようにしてあげる!」
暗い路地を駆け抜け、少女は必死に逃げました。
小さな心臓がドクンドクンと口から飛び出しそうなほど激しく鼓動しています。
振り返る勇気もありません。
ようやく明るい大通りに出た時、少女は「ハァハァ…」と立ち止まりました。
深呼吸をしながら、ゆっくりと後ろを振り返ります。
そこには誰もいませんでした。
噂の真相
それから数日後、少女は学校の友達から驚くべき話を聞きました。
「ねえ、知ってる?最近、夜に現れる口裂け女の噂があるんだって。」
背筋がゾクッと凍る思いでした。
あの夜の出来事は、単なる悪夢ではなかったのです。
「でもね」友達は続けました。
「あの女の人、昔は凄く綺麗な人だったんだって。でも、顔を切られちゃったんだって…」
少女は黙って友達の話を聞いていました。
彼女の小さな心の中で、ドクドクと恐怖と同情が入り混じっていました。
鏡の前で
その夜、少女は自宅の鏡の前に立っていました。
自分の幼い顔をじっと見つめます。
そして、ゆっくりと口角を上げ、「ニヤリ」と笑顔を作りました。
「私、きれい…?」
小さな声でつぶやきました。
その瞬間、鏡に映った自分の姿が、あの夜の女性に重なって見えた気がしました。
彼女は急いで目を閉じました。
再び目を開けると、そこには普段通りの自分の姿がありました。
少女は「フウッ」とほっと息をつきました。
口裂け女の伝説の概要
口裂け女の伝説は、1970年代後半に日本全国で広まったとされています。
ある夜、一人で歩いていた人(多くの場合、子供や若い女性)が、マスクをした女性に出会います。
その女性は「私、きれい?」と尋ねます。
「はい、きれいです」と答えると、女性はマスクを外し、「ズルッ」と耳から耳まで裂けた大きな口を見せます。
そして「これでもきれい?」と再び問いかけるのです。
もし、夜道を一人で歩いていて、突然白いマスクをした不気味な女性に話しかけられたなら、決して彼女の問いに安易に答えないでください。
「私、きれい?」と尋ねられたとき、あなたがどう答えるかによって、命運が決まるかもしれません。
逃げられたとしても、その不気味な笑い声があなたの背後で響いているなら、もう手遅れかもしれません…。
次に「口裂け女」と出会ったとき、無事に帰れる保証はどこにもないのです。
その時はどうか、素早く逃げ出す準備を…。
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